成人の5人に4人が歯周病と無縁ではありません
歯周病は、日本の成人の5人に4人が何らかの症状を抱えている、もしくはその予備軍であるとされているお口の感染症です。もはや「国民病」といえるほど私たちにとって身近な病気でありながら、その特徴をきちんと理解している方は多くないように思います。そのため、放置してしまったり間違った対処をとってしまったりするケースがとても多いのです。
正しい治療を受けて治癒に取り組むなら、まずは歯周病について正しい知識を身に付けることが必要です。こちらでは、「太郎歯科桜台診療所」が歯周病の危険性や治療内容などについてご説明します。
歯周病を放置する危険性
歯周病は自覚症状がほとんどないまま進行するため、重症化しやすいという特徴があります。歯ぐきなどに軽度な炎症が起こっているうちはまだ初期段階ですが、中等度、重度と進行していくと歯周組織や顎の骨が溶かされてしまい、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
また、重症化すると口腔内だけでなく、全身の健康の悪化、ひいては生命の危険をともなう病気につながる恐れもある怖い病気です。少しでも思いあたる症状があれば、すぐに治療を受けるようにしましょう。
こういう方は要注意
歯周病は生活習慣病です。そのため、日常的に乱れた習慣を抱えている人はそのぶん発症リスクが高まります。歯周病にならないようにするためには、歯科医院で口腔内のケアを行うだけではなく、同時に生活習慣自体を見直しましょう。
特徴1 喫煙習慣がある |
特徴2 間食が多い・ダラダラ食べをする |
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タバコの煙には有害物質が含まれています。これが粘膜や歯ぐきから吸収されることで、歯周病のリスクが高まります。 | 間食が多いと口腔内は食べカスなどで長時間汚れた状態となるので、細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。 |
特徴3 食べ物をよく噛まない |
特徴4 ストレス・疲労がある |
よく噛まないと分泌される量の唾液が少なくなってしまい、歯周病菌を洗い流すことができません。 | ストレスや疲労が原因で免疫力が低下すると、歯周病だけでなく、さまざまな感染症にかかりやすい状態になります。 |
歯周病セルフチェック
重症化する前の歯周病には自覚症状がほとんどないため、「自分は健康だ」と思っていても歯周病にかかっているということがあります。まずは以下の項目でセルフチェックを行い、現在の歯周病進行度や今後どのように処置をすべきかについて知りましょう。
歯周病の段階
- 【1】歯肉炎
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歯ぐきに炎症が起き、ブラッシングのときに出血することもあります。歯ぐきが腫れているように感じたら、歯肉炎のサインかもしれません。
- 【2】軽度歯周炎
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歯周ポケットにプラークが溜まると、歯肉炎が悪化して軽度の歯周炎になります。出血や歯ぐきの腫れが目立つようになり、口臭も出てきます。これ以上ひどくならないよう、早期治療が必要です。
- 【3】中等度歯周炎
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歯がグラグラしはじめます。この段階でお口の中に異変を感じて受診される方が多いですが、すでに顎の骨が溶かされ始めています。この状態になる前に治療することが重要です。
- 【4】重度歯周炎
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顎の骨が炎症によって半分以上溶かされてしまっているため、歯ぐきが下がって歯根の一部がむき出しになります。歯が抜け落ちてしまう可能性があるので、一刻も早い治療が必要です。
当院の歯周病治療
歯周病は完治するまでに1年近くかかってしまうこともあります。歯科医院での治療だけでは十分でなく、患者様のご自宅でのプラークコントロールや生活習慣の改善も必要です。当院では以下のような歯周病治療・処置や適切な口腔内環境の改善指導を行っています。
スケーリング
スケーリングは、こびりついている歯石を「スケーラー」という器具によって取り除く方法です。プラークの石灰化によって生まれた歯石が原因で、プラークはさらに付着しやすくなるもの。歯周病の進行を抑えるためには、欠かせない処置です。
ルートプレーニング
ルートプレーニングは歯周ポケットにこびりついた歯石を取り除く治療です。「キュレット」という器具によってザラザラになった歯の表面を滑らかにし、口腔内が汚れるのを防ぎます。
ブラッシング指導
歯周病治療には毎日のホームケアが欠かせません。正しいブラッシングによって歯周病菌の繁殖を防ぐことができます。当院では、一人ひとりのお口の形状などに適したブラッシング方法をアドバイスします。
外科治療
・エムドゲイン法
エムドゲイン法は、エムドゲインゲルという薬剤を患部に塗って溶かされた骨の再生を促す治療です。薬剤には特殊なたんぱく質が含まれており、人間が本来持っている自然治癒力を促して骨を再生します。成分が細胞に働きかけるため、歯が初めて生えたような強い組織になります。
・GBR法
GBR法は、自分の骨や人工骨を盛って溶かされた骨の再生を促す治療です。骨を細かく砕き、「メンブレン」と呼ばれる特殊な膜で覆うことで、半年後には自分の骨として置き換わります。安全性は世界中の医師に認められているので、治療に危険性はありません。
歯周病が及ぼす全身への影響
歯周病は口腔内だけでなく、全身の健康に影響を与えてしまいます。症状が進行するとさまざまな病気の原因になるため、早期治療に努めましょう。
心疾患 | 歯周病菌が血管に入ると、血栓ができやすくなります。重度の歯周病は動脈硬化を招き、心筋梗塞や狭心症のリスクを高めることがわかっています。 |
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誤嚥性肺炎 | 歯周病菌が気管から肺に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を発症する原因になります。誤嚥性肺炎は、高齢者の死亡原因の上位にあげられる病気です。 |
糖尿病 | 歯周病とともに糖尿病が悪化したり、糖尿病が歯周病の悪化を招いたりと、相互に悪影響をおよぼすことがわかっています。歯周病が改善すると血糖値が安定するという報告も出ています。 |
早産・低体重児出産 | 妊婦さんが歯周病にかかってしまうと、早産や低体重児出産のリスクが約7倍に高まるというデータがあります。 |